20121126

A Dangerous Method (2011)




おととい、Atonement を観た。二度目。
原作はイアン・マキューアンの「贖罪」、映画のタイトルは「つぐない」。
観終わった今は原作読んでるけど、それ終わったら感想書きたいな。思ったことつらつら。


今日は、2011年公開の映画「危険なメソッド」を観た。以下ねたばればれ。


イギリスに居たときに地下鉄でポスター大量に貼ってあって気になってたんだけど、ようやく。「おいおい、またキーラ・ナイトレイの昔の貴族的ヒロインやっちゃうぜ☆系映画か」なーんて思ってたわけなんだが、というかそういう印象をポスターから受けたんだけど、違った。(決してキーラ・ナイトレイの時代物が嫌いなわけではなく。むしろ良作ファインダーの良い指標だと思うのであしからずー)
良い意味で裏切ってくれてありがとう。



精神分析で有名なユングとその愛人ザービナ、そして時々フロイトの話。
ユングがキチってるザービナって女性をフロイト流に治療しつつ、恋しちゃいつつ…みたいな。それで続いていくんだけど、フロイトとの仲が悪くなりーの、ザービナとは別れたりくっついたり忙しないの…最後まで波風立たず、あっさりめに終わった。



途中で、ナイトレイの「大人の女」的濡れ場やりたいがため(どっかのラテン系と日本の俳優みたいだな)の映画なのかと…笑(実際は降板しようかと考えてたらしいですが…)。いつからこれはスパンキング映画になったんだ、って思っちゃうよ…。

あら、叩いてるわ~的な。

なんとなく、一人一人の演技やらはすごいんだけど(ナイトレイのしょっぱなシーンやべー)、一体感がなぜか感じられない、淡々と物事が進んでいっちゃうというか。それはある程度事実に基づいてるからなのかしら。つまり、施しようがないからなのか。あと、ジャンルとしては「ロマンスもの」ではない。これだけは言える。不倫だというのに(!)、医者と元患者という関係だというのに(!!)、まったくもって"デンジャラス"感がないのだよ(スパンキング以外(!!!))。



映画自体、タイトルからも分かる通り、ユングを中心としてる。性を抑圧しなければならない立場なのに、解放させようとするような誘惑があって、それとの葛藤。でもそれだけだとフロイト登場させる意味!!ってなるよねー。あっさりしてるようで、内容は濃いのかもしれない。しかも90分くらいの短い間。まぁ、ザービナとの出会いがユングに影響を与えて、方向転換(まで行かないか)させてるっていった事しか思いつかないのだけれど。精神分野における研究での葛藤にはどうしてもフロイトとの絡みが欠かせないからなのか。ならばもう少しザービナと絡ませてもよかったのではー。



フロイトとユングの関係性、ましてやザービナという女性の存在すら知らなかったんだけど、「ほへーそーなのかー」なーんて漠然と思う箇所ぽろぽろあった。まずフロイトがユダヤ人だったこと(ザービナも)、対してユングは違ってアーリア人だったこと。そこでの対立。そんで、フロイトは裕福ではない、その反対にユングはお金持ちの子と結婚してる。これだけ根本的に違うんだから、価値観にズレが生じちゃうのはもっともだよね。

この映画を不完全燃焼ととらえるか、深いのかも?と捉えるか、難しいところだ!


色んなシーンので印象的だったのは、大学を出たらチューリッヒを出るっていうザービナに縋り付いて子供みたいに泣いてるところかも。いまいちなんでこんな展開になったのかよくわからなかったんだけど、以前にユングがザービナを突き放すシーンを準えてて、彼の愛を示してるのかな、なんて。彼にとってフロイトは父的存在だったけど、ザービナは母的存在だったのかな。いつのまにか立場逆転してるし。本当は最後はユングの子供を欲しがったザービナに嫌気がさして別れたらしいんだけど、この感じだと穏便にすべて終わったみたいに見えるね。
before
after


マイケル・ファスベンダーに対してそこまで何も感じないけど、他の役やってるところ見たいかもと思えてきたので見てみる。Shameはよくわからなかった。あの時おっさんだなーっていう印象だったのに。こんなに若いのか。声が好き。

このシーン面白かったなw


ヴィゴさんはね、終始口調が気になった。
ごめんなさい。容姿抜きにしたら完全西部のおっちゃんじゃんって思ってしまった。

さすがにキチってる姿はやめました。
ナイトレイ。きちってるのすごいね。唇震わせて、顎出したり(とにかく顎、とりあえず顎、chin、あご)がとても印象的。最初の方アクセントでちゃってる?って思ってたけど、だんだんと外人風アクセントがなじんできてて面白いなと思った。そしてアメリカ的な英語な感じになると、声がかわいいなと思った。アクセントだけで声の印象まで違うのか。こういうアクセント絡みのギャップ好き。

ユングの奥さんのエマ役のサラ・ゴドンがめちゃくちゃ綺麗。ユング、なんでナイトレイに走るの??って思っちゃうほど。無垢さとか透明感があって、お嬢様だー!ってなる。ただ、ユングとザービナのスキャンダルが書かれた匿名の手紙の出所はもしかしたらエマだったのかもっていう噂もあると、やりおるのう・・・と思うね。女の人こわい。


★★☆☆☆
Dir. by David Cronenberg (デヴィッド・クローネンバーグ)
Screenplay: Christopher Hampton
Music: Howard Shore
Cinematography: Peter Suschitzky

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