20121227

The End of the Affair (1999)





1990年代映画週間になりつつありますが…、今日は1999年「ことの終わり」という映画です。
Rated R らしく、日本だと中学生以下は見れないらしいですよ。これほんと?
これの原作は20世紀の英作家グレアム・グリーン(Graham Greene, 1904-1991)の同タイトルの小説です。文庫の邦題は映画版よりも原題に忠実、「情事の終わり」です。
ちなみにGrahamはグラハム・クラッカーと同じだけど、グラハムではないのです…出た、読み方と綴りがマッチングしてないパターン。






ん~なんというか、これまた書くことがない…。
原作が小説だと知らなかったら、よくあるロマンス映画って思ってしまったかも。
ジュリアン・ムーアは、最近のを見てるとレズビアン系に走ってしまってる感があるので、ちゃんと男性とのシーンもあるんだ…と驚きました(そこか)。


映画の語り方としては良かった。小説の中の出来事という枠組みだったのが、後半に現実で続きがおこるという部分が。そして、それらの流れがまた別の異なるの視点(サラの日記という枠組み)からも繰り返される部分が。男からの視点と女からの視点の両方があって、ようやく辻褄が合うんだけど、そこで映画自体が終わらないのも良かった。

嫉妬に狂った主人公モリス・ベンドリックスが、不倫相手サラの素行を調べようとして探偵を雇う所から始まる。それは、友人でもあるその夫が、妻が誰かと密会していると疑っていることを知ってからのこと。自分以外の男性と交際してるのかってベンドリックスが嫉妬してね。彼はサラを愛してるけど、二人の間に起った事柄を思い返すと彼女の方は違う。そのうち、彼女の愛人は自分だけって判明するんだけどさ。


イギリス小説には「カトリック」がテーマになっている作品が多い。英国自体はプロテスタントだから、カトリックというのは葛藤とか問題となって小説上表れてくる。例えば、イーブリン・ウォー(Evelyn Waugh)のBrideshead Revisited (「ブライズヘッドふたたび」、映画は「情愛と友情」)でも物語の中心テーマとしてカトリックの問題が扱われている。多くの場合、作者自身がカトリックである場合がほとんどなんだけど、グレアム・グリーンもそうらしいです(彼の場合は最初からではなく、後に改宗したんだって)。だよね。終盤になって「神が神が」ばかりだなーって思ったよ。つまりは、最初から宗教要素上手くちりばめとけばよかったのに。急になんか胡散臭くなって、それで病死か。典型パターンじゃねーか、と。


きっと小説でなら、納得できたと思う。
ただ映像化してしまうと、陳腐なものになってしまう、かなぁ。



あとは、あのブリッツの時に、不倫という罪を犯してしまった二人に天罰が下ったという解釈でいいのかな。モリス=キリスト(爆撃を受けた時の背後がステンドグラスということは、教会でのイエス像の背後のそれのイメージ)で、彼を犠牲にしたから救われるという具合に…だからあの時二人の間の全てが変わってしまった。彼の復活はまさに奇跡であり、神聖。モリス自身が無神論者という設定が何とも皮肉。



というか、途中で観てて思った。Gossip Girl でこの映画のオマージュシーン出てくるよね!?シーズン5で、ブレアが「チャック死なないでぇぇ!」って神様に祈り「生かしてくれたら私もう会わないからぁ!!」、後に背後から「チャックさん、生き返りましたよー」みたいになるシーン。すごく聞き覚えのある内容と思ったら、本当にそうだ。この回のタイトルが"The End of the Affair?"でした。下は左がブレアさん(Leighton Meester)と右がサラさん。この二人、顔の系統似てるね。レトロが似合うお二人だ。




そしてムーアさん、イギリス英語ですね!!きました!ギャップ!といってもそこまでなかった…。そもそもセリフが少なかったな。



★★☆☆☆
Dir. & screenplay by Neil Jordan (ニール・ジョーダン)
Music by Michael Nyman
Cinematography by Roger Pratt

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